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2020年04月20日 更新

甲立古墳(甲田町)

 後円部墳頂部分の発掘調査の様子

 

 甲立古墳は、平成20年1月に甲田町上甲立菊山の山林で新たに発見された前方後円墳です。全長は77.5メートルに達する、県内では最大級の規模です。平成28年3月に国史跡に指定されました。

 平成22年度から25年度まで実施した発掘調査では、傾斜地上に築かれた均整がとれた墳丘、隙間なく葺かれた精緻な葺石、実際より大きく見せる大規模造成など、高度な技術で墳丘が築造されていることを確認しました。後円部墳頂では、中央に5基の家形埴輪を一列に並べた石敷区画や数種類の埴輪で構成された埴輪列などで、築造当時に並べられた埴輪の配列を良好な状態で確認することができ、古墳祭祀、埴輪祭祀を研究する上で極めて重要な調査例となりました。出土した埴輪は、切妻造高床建物の1・2号家形、特異な形の囲形状、出土例が極端に少ない子持家形などの家形埴輪をはじめ、船・甲冑・蓋など器材埴輪、普通・楕円・朝顔形などの円筒埴輪がありました。いずれの埴輪も端正な作りで、埴輪を製作した工人の技術の高さを示しており、当時の中心地であった畿内の中枢で出土した埴輪と近似します。これらのことから甲立古墳は4世紀後半に畿内の勢力が深くかかわって築造されたと考えられます。

 山間に築かれた4世紀後半の畿内色の強い前方後円墳は全国的にあまり例がなく、当時の社会情勢や畿内勢力の動向を知るうえでも貴重な資料と考えられています。

家形埴輪レプリカ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出土した家形埴輪

 

 

 

甲立古墳レーザー測量図

レーザー測量図

 

 

国史跡甲立古墳のパンフレットを刊行しました。以下のリンクからダウンロードしてください。

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