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市長コラム第90回 地域包括ケアシステムの構築に向けて

 我が国における10年後の介護給付費・医療費は、今日の状況でこのまま推移すれば、介護給付費が100%、医療費は50%アップすると推測されています。安芸高田市においても、急速な少子高齢化の進行に伴い、医療・介護・生活支援を必要とする高齢者の増加と、高齢者を支える現役世代の減少が顕著となり、非常に危惧される状況が想定されます。
 平成12年に介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みとして、介護保険制度が創設されました。平成₂₄年の介護保険法の改正においては、高齢者が適切な介護サービスを利用しながら、自分の暮らす地域で自立した生活を送れるよう、団塊の世代が₇₅歳以上となる2025年までには介護予防・日常生活支援体制を整える、そのために必要となるのがこの「地域包括ケアシステム」である、との指標が明示されました。
 地域包括支援センターの設置や介護サービスの拡充、地域密着型サービスの創設など、地域において可能な限り安心して生活できるための制度・施策が、徐々に整備されてきています。今後の高齢者福祉計画・介護保険事業計画においては、これまで実施してきた介護(予防)施策をさらに充実し発展させていくことが大切になります。これまでの全国一律の画一的な介護サービスのみではなく、医療や介護、生活支援等の様々なサービスが切れ目なく提供できる体制が必要となります。今後安芸高田市では、人口が減少する一方で、高齢化率はますます高くなると見込まれます。高齢者が住み慣れた地域で生活を継続するためには、医療・介護等の社会資源に加え、生活支援サービスや地域住民の支え合いなどによる地域包括ケアシステムの構築がとても重要になります。
 この地域包括ケアシステムを構築するためには、多職種間の連携はもとより、民生委員児童委員・行政嘱託員・地域振興会・老人クラブ等の地域の皆様の協力が不可欠であります。安芸高田市の課題としては、①家屋が散在し、高齢者が外出するのに時間がかかる(新交通システム・お太助ワゴンの活用により、ある程度のカバーは可能)、②市民の皆様への包括ケアの周知が浸透しきれていないため、介護度・認知症の重症化への対応が遅くなり、早期予防に結びついていない状況がある、③高齢単身者・高齢者夫婦のみの世帯がそれぞれ14.7%、16.2%(広島県の平均値は、高齢単身10.1%、高齢夫婦11.5%)と非常に高い、また、運営上の課題としては、①個人から地域の課題へ繋げる意識が乏しい、②ボランティア機関に頼りすぎている側面がある、③認知症に対する住民理解のさらなる促進が必要である、等が考えられます。今後の取り組みとしては、平成18年に設置した地域包括支援センターの効率的な活用と、地域との繋がりを主体とした地域支援体制を充実整備する必要があり、また、現在開催されている地域ケア会議のさらなる充実強化が求められます。
 私は、今後ますます高齢化が進む安芸高田市にとって最も大切なことは、市民の皆様の今後の生活に対して不安が生じないように、行政の対応は無論のことですが、地域で支えるための仕組みづくりであると思っています。そのためには、行政が責任を持って、関係組織・機関・団体との連携のもと、地域の皆様の生活様式(ライフスタイル)を把握し、地域包括ケアシステムに反映することが大切であります。また、住民各々に適応した在宅サービス・施設サービスを、時系列を追って明確に示すことが、市民の皆様の安心に繋がると思っています。


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