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市長コラム第41回 北欧の「高福祉・高負担」を視察して

 先般、広島県市町職員の視察団の団長として、北欧(スウェーデン・デンマーク・フィンランド)を視察して来ました。研修のテーマは「高福祉・高負担」の実態調査でした。北欧諸国は福祉の先進地として歴史的にも有名であり、今後少子高齢化が進む安芸高田市の福祉施策の参考になることがたくさんあると考えていました。

 北欧諸国の福祉が発展した理由として、教会を中心とする助け合いの精神を柱に、地方自治の基盤の確立のもと、医療・年金を国が保障する社会的理念の仕組みが出来上がっていることにあります。現在では、国民は75%の高負担をする代わりに、国が家族の代わりに老後の生活を保障していくという典型的な福祉国家になっています。

 しかし、高福祉国家では、国が責任をもって支えてくれるので、安心して高齢者などは福祉サービスを受けられる半面、家族・子どもの必要性がなくなってしまうので、必然的に少子化が進行します。子育て責任の回避や後継者育成の責任を果たさなくなる傾向が生じる原因にもなっていると思います。北欧諸国では、家族と子どものコミュニケーションが薄れ、幼児虐待・青少年の非行・学力低下・離婚等が深刻な社会問題として生じています。また、若い人が減少すれば、福祉を支える若年層の負担が増し、結果的にサービス水準を下げる事にも繋がります。現在の北欧諸国においては、少子化現象に歯止めをかけることが、行政の大きな課題となっているようです。

 この度の北欧研修で学んだことを踏まえながら、日本の福祉について考えてみますと、現行制度で十分とは言えませんが、ある程度の水準には達しているのではないかと思いました。「公助」による、サービス向上の施策は今後とも必要ですが、市民の皆様の「自助・共助」による協力が大切と思います。加えて、社会を支える若者の定住施策の必要性の再認識をしたところであります。福祉について考えさせられた、有意義な視察研修でした。


 

 


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