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2015年03月17日 更新

市長コラム第43回 「文化・芸術」のまちづくり

 文化・芸術は、先人が積み上げ、守り継承して来たものであり、文明の集大成と言うこともできます。

 「文化・芸術は何の役にも立たない」という風潮も一部ありますが、決してそのようなことはないと思います。文化・芸術の発展なくして、国家の繁栄は無かったと考えても過言ではないと思います。

 安芸高田市は少子高齢化が進み、地域住民が流出するなどして、地域間の連帯意識を保つのが難しい状況になりつつあります。地域のコミュニティが衰退してきていると言えます。物質的にはある程度満足できる暮らしを送れますが、コミュニティが衰退している中、心の豊かさを求める市民が増えているのが現状です。そんな状況だからこそ、文化・芸術活動は、市民の皆様の精神的な安らぎを与える絶好のものと考えます。

 安芸高田市には、独自の文化・芸術が受け継がれています。これらを大切にした特色あるまちづくりが大切だろうと考えます。合併以来、安芸高田市では、市民文化祭を実施して来ました。年々参加者が増え、盛会に開催しております。今年の展示芸術の祭典には、419点の作品の展示が有り、また、各地から1、400名という多くの市民の皆様に観覧に来て頂きました。大変心強く思っています。

 安芸高田市文化協会には、現在279団体の登録があり、それぞれ様々な活動が行われています。どれも地域の誇りや英知を継承してきた素晴しい活動ばかりです。また、安芸高田市は八千代の丘美術館を拠点とした活動も盛んで芸術の水準も高く、昨年は広島県美術展において11名の方々が入選されるなどの活躍をなされました。広島県美術展入選者数は、他の自治体と比べても多く、大変誇りに思っているところであります。

 しかし、文化・芸術に携わる市民の皆様がだんだんと高齢になられているという問題もあります。文化・芸術に携わる方々の高齢化は、文化・芸術活動を継承していくという意味で支障を来たすおそれがあります。市としても後継者の育成を念頭に入れ、田楽や神楽を授業に取り入れるなど、特色ある学校教育を行っています。生涯学習として市民の皆様が文化・芸術活動に参加しやすい環境づくり、そして、文化・芸術活動を受け継いでいく後継者の育成は、今後、行政が取り組んで行くべき必須の課題と思っております。文化・芸術を大切にしたまちづくりが、若者の定住に繋がり、人口減少に少しでも歯止めがかかる事を願います。

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