○安芸高田市犯罪被害者等支援条例

平成29年3月17日

条例第8号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 基本的支援(第6条―第16条)

第3章 支援体制の整備(第17条・第18条)

第4章 雑則(第19条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、犯罪被害者等の支援に関し、基本理念を定めることにより、市及び市民等の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等のための支援を総合的かつ計画的に推進し、もって犯罪被害者等の権利利益の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。

(2) 市民 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)の規定に基づき本市の住民基本台帳に記録されている者をいう。

(3) 事業者 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。)及び事業を営む個人をいう。

(4) 市民等 市民及び事業者をいう。

(5) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族で、市民である者をいう。

(6) 関係機関等 国、広島県その他の関係機関及び犯罪被害者等の援助を行う民間の団体その他の関係するものをいう。

(基本理念)

第3条 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が平穏な生活を取り戻すまでの間、犯罪被害者等の被害状況及び生活の影響その他の事情に応じ、適切に行われるものとする。

2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう行われるとともに、犯罪被害者等に関する個人情報の適正な取扱いの確保に最大限配慮して行われるものとする。

3 犯罪被害者等の支援は、関係機関等との適切な役割分担を踏まえ、相互に連携し、及び協力して行われるものとする。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、犯罪被害者等のための施策を総合的に策定し、及び計画的に実施しなければならない。

2 市は、前項に定める施策の策定及び実施に当たっては、必要に応じ、関係機関等と連携し協力しなければならない。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、第3条の基本理念にのっとり、犯罪被害者等の置かれている状況及び犯罪被害者等の支援の必要性について理解を深め、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏を害することのないよう十分配慮するとともに、犯罪被害者等を孤立させないよう努めなければならない。

2 市民等は、市及び関係機関等が実施する犯罪被害者等の支援に協力しなければならない。

第2章 基本的支援

(相談及び情報の提供)

第6条 市長は、犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、必要な情報の提供を行い、犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、助言を行い、及び犯罪被害者等の支援に精通している者の紹介を行うとともに、関係機関等との連絡調整を行うものとする。

2 市長は、犯罪被害者等の利便、秘密及び名誉の保持並びに安全の確保に配慮するよう努めなければならない。

(民間支援団体への支援)

第7条 市長は、民間支援団体その他の犯罪被害者等の支援に関する者に対し、その活動の促進を図るため、情報提供、助言その他必要な支援を行うものとする。

(住居の提供)

第8条 市長は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等で規則で定める者に対し、居住の安定を速やかに確保し、又は犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止するため、一時的な利用に係る住居の提供を行うものとする。

(雇用の安定)

第9条 市長は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、関係機関等と連携し、犯罪被害者等が置かれている状況について、事業者の理解を深め、犯罪被害者等の事情に配慮した職場環境の整備等が促進されるよう必要な支援を講じるものとする。

(犯罪被害者見舞金の支給)

第10条 市長は、この条例に定めるところにより、犯罪行為被害者(日本国内又は日本国外にある日本の船舶若しくは日本の航空機内において行われた人の生命又は身体を害する罪に当たる行為(刑法(明治40年法律第45号)第37条第1項本文、第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含み、同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。以下「犯罪行為」という。)により死亡し、又は傷害(全治1月以上の加療を要すると医師又は歯科医師が診断したものに限る。)を受けた者で当該犯罪行為が行われたときに市民であった者(傷害を受けた者にあっては、犯罪行為が行われた時から引き続き市民である者)をいう。以下同じ。)又はその遺族に対して犯罪被害者見舞金を支給する。

(犯罪被害者見舞金の種類及び額)

第11条 犯罪被害者見舞金は一時金とし、犯罪被害者見舞金の種類及び額は次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。

(1) 傷害見舞金 10万円

(2) 遺族見舞金 30万円

2 前項第1号の傷害見舞金は犯罪行為被害者に、同項第2号の遺族見舞金(以下「遺族見舞金」という。)は犯罪行為被害者の遺族に対し支給する。

3 遺族見舞金の支給を受けることができる遺族が2人以上あるときは、それらの者のうち1人を当該遺族見舞金の受領についての代表者と定め、その者に支給する。

(遺族の範囲)

第12条 遺族見舞金の支給を受けることができる遺族は、犯罪行為被害者の死亡時において次のいずれかに該当する者で、当該犯罪行為が行われた時から引き続き市民である者とする。

(1) 犯罪行為被害者の配偶者(婚姻届を出していないが、事実上の婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)

(2) 犯罪行為被害者の収入によって生計を維持していた犯罪行為被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(3) 前号に該当しない犯罪行為被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

(4) 前3号に該当しないその他の遺族

(犯罪被害者支給見舞金の支給申請)

第13条 犯罪被害者見舞金の支給を受けようとする犯罪行為被害者又はその遺族は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

2 前項の規定による申請は、当該犯罪行為による被害の発生を知った日から2年を経過したとき又は犯罪行為による被害が発生した日から7年を経過したときはすることができない。

(犯罪被害者見舞金の支給制限)

第14条 市長は、次に掲げるときは、規則で定めるところにより、犯罪被害者見舞金を支給しないことができる。

(1) 犯罪行為被害者と加害者との間に親族関係(事実上の婚姻関係を含む。)があるとき。

(2) 犯罪行為被害者が犯罪行為を誘発したときその他当該被害につき、犯罪行為被害者にもその責めに帰すべき行為があったとき。

(3) 前2号に掲げるときのほか、犯罪行為被害者又はその遺族と加害者との関係その他の事情から判断し、犯罪被害者見舞金を支給することが社会通念上適切でないと認められるとき。

(決定)

第15条 市長は、第13条第1項の規定による申請があったときには、直ちに犯罪被害者見舞金を支給する旨の決定又は支給しない旨の決定を行い、申請を行った者に対し通知しなければならない。

(犯罪被害者見舞金の返還)

第16条 市長は、偽りその他不正な手段により犯罪被害者見舞金の支給を受けた者があるとき又は犯罪被害者見舞金の支給後において、第14条の各号のいずれかに該当することが判明したときは、当該犯罪被害者見舞金の全部又は一部を返還させることができる。

第3章 支援体制の整備

(総合的支援体制の整備)

第17条 市長は、事業者、関係機関等及びその他の関係する者と連携し、及び協力し、犯罪被害者等がどの機関又は団体を起点としても、直面している各般の問題についての支援を受けられるように相互協力関係を推進するものとする。

(市民等の理解の増進)

第18条 市長は、教育活動、広報活動、啓発活動等を通じ、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等の名誉又は生活の平穏への配慮の重要性等について市民等の理解を深めるよう必要な啓発活動を推進するものとする。

第4章 雑則

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。

(適用)

2 第10条から第16条までの規定は、この条例の施行の日以降に行われた犯罪行為による死亡又は傷害について適用する。

安芸高田市犯罪被害者等支援条例

平成29年3月17日 条例第8号

(平成29年4月1日施行)