○安芸高田市有害鳥獣捕獲実施要綱

令和2年3月25日

告示第13号

(趣旨)

第1条 広島県の事務を市町が処理する特例を定める条例(平成11年広島県条例第34号。以下「県条例」という。)第2条の規定に基づき、安芸高田市(以下「市」という。)が処理することとされた同条に掲げる鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)に基づく事務の一部を執行するに当たっては、法、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「省令」という。)に定めるもののほか、この要綱の定めるところによる。

(用語)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 鳥獣 鳥類又は哺乳類に属する野生動物をいう。

(2) 被害 鳥獣による生活環境又は農林水産業に係る被害をいう。

(3) 被害者 被害を受けた者をいう。

(4) 捕獲等 被害の防止を目的とする鳥獣の捕獲又は殺傷をいう。

(5) 許可 県条例第2条において捕獲等の対象とされる鳥獣に係る法第9条第1項の規定による捕獲等の許可をいう。

(6) 銃猟 銃器を使用した捕獲等をいう。

(7) わな猟 わなを使用した捕獲等をいう。

(捕獲等の許可)

第3条 市長は、被害の状況及び防除対策の実施状況を的確に把握し、その結果、被害が生じ、又はそのおそれがあり、原則として防除対策を施しても被害が防止できないと認める場合に許可をするものとする。

2 市長は、法第9条第3項各号に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当すると認める場合にあっては、許可をしないものとする。

(1) 捕獲等によって、特定の鳥獣の地域個体群に絶滅のおそれを生じさせ、又は絶滅のおそれを著しく増加させる等、鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれのある場合。ただし、人為的に移入された鳥獣の場合は除く。

(2) 捕獲等によって、鳥獣の生息基盤である動植物相を含む生態系を大きく変化させる等、生態系の保護に重大な支障を及ぼすおそれがある場合

(3) 法第35条第1項の規定による特定猟具(銃器)使用禁止区域(以下「銃猟禁止区域」という。)で銃猟を行う場合であって、銃猟によらなくても捕獲等の目的が達せられるとき、又は銃猟禁止区域内における銃猟に伴う危険の予防若しくは指定区域(省令第7条第5項に規定する区域。以下同じ。)の静穏の保持に著しい支障が生じるおそれがある場合

3 市長は、法第9条第5項に規定する鳥獣の保護、特定鳥獣管理計画若しくは特定希少鳥獣管理計画に係る鳥獣の管理又は住民の安全確保及び指定区域の静穏の保持のため、必要があると認める場合において、同項の規定に基づき、許可に条件を付すものとする。

(捕獲等の許可基準)

第4条 許可を受けることができる者は、次に掲げる者とする。

(1) 国又は地方公共団体(国の場合においては別に定める。)

(2) 被害者又は当該被害者から依頼を受けた者(以下「被害者等」という。)

(3) 法第9条第8項の規定により環境大臣の定める法人(以下「対象法人」という。)

2 許可を受ける者は、前項の許可を受ける区分により、それぞれ次の各号に掲げる要件を全て満たさなければならない。

(1) 地方公共団体の場合

 本市の区域における有害鳥獣による過去の被害の状況及びその捕獲等の実績に基づいて、被害発生予察表及び年間有害鳥獣捕獲実施計画を作成していること(当初計画にない突発的な被害については、当該有害鳥獣に係る追加計画を作成すること。)

 有害鳥獣捕獲対策協議会(以下、単に「協議会」という。)を設置していること。

 実施体制(有害鳥獣捕獲班)(以下「捕獲班」という。)を整備していること。

(2) 被害者等の場合

捕獲等に従事する者が、許可に当たって市長の指定する捕獲等の方法(以下「指定捕獲方法」という。)に係る狩猟免許を取得していること。

(3) 対象法人の場合

第1号(を除く。)の規定を準用する。

3 許可の期間は、別表に定める期間とする。

4 許可の区域は、次に掲げる区域とする。

(1) 地方公共団体又は対象法人の場合

本市の区域を限度とする。

(2) 被害者等の場合

 被害地及びその縁辺から100メートル以内の区域を限度とする。

 班を編成して捕獲等する場合は、必要最小限の範囲とし、おおむね字単位を限度とする。

5 銃猟禁止区域又は省令第7条第1項第7号イからチに掲げる区域について許可する場合は、危険の予防及び第三者に疑惑を抱かせるおそれを防止することについて、適切な措置が講じられていると市長が認めるものに限る。

6 捕獲等に当たっては、法又は省令に規定するほか、次に掲げる条件に適合する方法により行うものとする。

(1) 法第36条に危険猟法として規定される手段は用いないこと。

(2) 空気銃を使用した捕獲等は、鳥獣を負傷した状態で取り逃がす危険があるため、中・小型鳥類に限ること。

(3) 法第15条第1項の規定による指定猟法及び法第12条第1項又は第2項に基づき鉛製銃弾の使用を禁止している区域にあっては禁止された鉛製銃弾を使用しないこと。

7 捕獲等に係る頭羽数は、被害の防止の目的を達成するために必要最小限のものとすること。

8 市長は、前7項に規定する許可基準について、広島県が法第4条第1項の規定に基づき定める鳥獣保護管理事業計画における捕獲等に係る許可基準に適合するよう努めるものとする。

(有害鳥獣捕獲対策協議会)

第5条 協議会は、市、市の区域を管轄する有害鳥獣捕獲班連絡協議会、農業協同組合、漁業協同組合、森林組合、鳥獣保護に関する有識者及びその他関係者の出席をもって開催するものとする。

2 協議会は、市の区域における被害の発生予察及び有害鳥獣捕獲実施計画の作成等について協議するものとする。

(有害鳥獣捕獲班)

第6条 市及び対象法人が捕獲等の実施体制として整備する捕獲班は、次に掲げる事項を全て満たすものでなければならない。

(1) 市又は対象法人の指示を受け、捕獲等を行うこと。

(2) 捕獲等の実施に必要な最小限の人数により構成するものとし、1班当たり20名以内とすること。

(3) 班長1名及び副班長1名程度を置くこと。

2 捕獲班の構成員は、原則として次に掲げる要件を全て満たす者でなければならない。

(1) 前年において、指定捕獲方法に係る法第55条の規定による狩猟者登録(以下「狩猟者登録」という。)を受けた者であること。

(2) 市内に住所を有し、高田山県猟友会長の推薦した者。ただし、他市町に住所を有している場合は、捕獲班を編成しようとする市町の単位猟友会長の申出により、依頼を受けた単位猟友会長が推薦した者であること。

(3) 捕獲等の従事中に発生した第三者に対する事故について、損害賠償能力を有する者であること。

(許可申請)

第7条 許可を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、鳥獣の捕獲等許可申請書(様式第1号。以下「申請書」という。)に、次の書類を添付して、市長に申請しなければならない。

(1) 市及び対象法人の場合

 協議会議事録の写し(対象法人は除く。)

 被害発生予察表(様式第2号)

 年間有害鳥獣捕獲実施計画書(様式第3号及び第3号の2)

 捕獲従事者名簿(様式第4号)

(2) 被害者等の場合

 依頼書(様式第5号)

 捕獲従事者名簿(様式第4号)

 鳥獣による被害状況書(様式第6号)

 狩猟免状の写し

 その他市長が提出を求めた書類(被害状況写真等)

2 市長は、申請書の提出があった場合は、当該書類について不備の有無を確認し、不備があるときは当該申請者に補正させるものとする。

(処分の決定等)

第8条 市長は、適正な申請書の提出を受けた場合は、速やかに収受の手続を行い、2週間以内にその処分を決定するものとする。

2 市長は、許可証(様式第7号)を交付する場合は、当該許可証の交付を受ける者(以下「交付者」という。)に対し、この要綱に定める事項を周知徹底させるものとする。

3 市長は、法第9条第8項の規定による申請がなされた場合には、市又は対象法人の監督の下に当該許可に係る捕獲等に従事する者(以下「従事者」という。)であることを証明する従事者証(様式第8号。以下「従事者証」という。)を交付するものとする。

(捕獲等の遵守事項)

第9条 交付者及び従事者は、捕獲等(この項から第4項までにおいて、環境大臣又は県知事から許可を受けた場合の捕獲等を含む。)に当たっては、必ず許可証又は従事者証を携帯しなければならない。

2 交付者及び従事者は、捕獲等に当たって、事故防止のための安全対策を講じるものとする。なお、銃猟により捕獲等を行う場合にあっては、必要に応じて捕獲等の実施日時及び場所について、市長及び当該区域を管轄する警察署長(以下「管轄警察署長」という。)等に対し、通知するものとする。実施日時及び場所を変更し、又は中止した場合も同様とする。

3 交付者及び従事者は、網猟免許又はわな猟免許に係る猟具を用いて捕獲等を行う場合にあっては、猟具ごとに、金属製又はプラスチック製の標識を取り付けるものとする。また、猟具の設置に当たっては、第三者に対する事故が発生しないように配慮するものとする。

4 交付者及び従事者は、捕獲等により捕獲し、又は殺傷した鳥獣(以下「捕獲物」という。)を処理するに当たっては、原則として当該捕獲物を持ち帰るか、地形的要因等によりそれが困難な場合は、風雨等により捕獲物が容易に露出しない程度まで埋設すること等により適切に処理するものとする。

5 許可を受けた市又は対象法人は、鳥獣捕獲等従事者台帳(様式第9号)を整備しなければならない。

6 許可を受けた市又は対象法人は、捕獲班に対し捕獲等を指示する場合にあっては、次に掲げる規定を遵守し、必要の都度、鳥獣捕獲等事業指示書(様式第10号)を交付するとともに、当該捕獲等に係る従事者に対し、従事者証を交付しなければならない。

(1) 指示の期間は、1月以内とし、期間満了後は速やかに指示書及び従事者証を回収しなければならない。

(2) 法第28条第1項に規定する鳥獣保護区又は法第34条第1項に規定する休猟区における捕獲等の指示は、その設定目的を逸脱しないよう慎重に取り扱うものとし、現に被害が生じている若しくは被害が生じるおそれがあり、被害者から被害届が提出された場合に行うものとする。

(通知及び報告等)

第10条 市長は、第8条第2項の規定により、許可証を交付した場合は、管轄警察署長等に対し、許可の内容を通知するものとする。

2 交付者は、許可期間満了後にあっては30日以内に、許可証(従事者証の交付を受けた交付者にあっては、許可証及び従事者証)の効力が失われた場合にあっては速やかに、許可証を市長に返納しなければならない。

3 交付者は、前項の規定による返納に当たって、捕獲等の実施結果について有害鳥獣捕獲等報告書(様式第11号)に取りまとめ、交付を受けた許可証(市又は対象法人にあっては、許可証及び従事者証)を添えて、市長に提出しなければならない。

4 市長は、前項の報告書を取りまとめ、有害鳥獣捕獲等実績報告書(様式第12号)を作成するとともに、許可をした年度に係る各四半期の末月の翌月末日までに広島県西部農林水産事務所長(以下「西部農林水産事務所長」という。)に提出するものとする。

5 市長は、法又はこの要綱の規定による許可の条件に対する違反を把握した場合は、違反の概要を直ちに関係者に連絡するとともに、法第10条第1項各号の規定に該当すると認める場合には、当該違反した者に対して、同項の規定に基づき、当該違反に係る鳥獣の解放を命ずるものとする。

6 市長は、許可に係る法若しくは省令の規定又は法に基づく処分に違反した交付者について、法第10条第2項の規定に基づき当該許可を取り消す場合には、様式第13号により通知するとともに、当該許可証又は従事者証を速やかに返納させなければならない。

7 市長は、必要に応じて西部農林水産事務所長その他関係者と連携を図るものとする。

(その他)

第11条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、令和2年4月1日から施行する。

(令和3年7月30日告示第62号)

この告示は、令和3年9月1日から施行する。

別表(第4条関係)

(1)捕獲等許可期間

区分

対象鳥獣

許可期間

備考

連続期間内

その他

鳥類

ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ムクドリ、トビ、ダイサギ、コサギ、ゴイサギ、チュウサギ、マガモ、カルガモ、スズガモ、コガモ、ヨシガモ、クロガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、キジ、スズメ、ニュウナイスズメ、キジバト、ドバトカワウ

4月~3月



ヤマシギ、タシギ、ウズラ、コジュケイ、バン


(4月から3月まで)


獣類

ヌートリア、ノイヌ、ノネコ、サル、アライグマ、ハクビシン、イノシシ、タヌキ、キツネ、テン、アナグマ、シカ、イタチ、ノウサギ

4月~3月



(2)適用

① 年間捕獲実施計画に基づく捕獲班による捕獲については、上記許可期間内のうち連続期間内について一括して許可することができる。

② ( )内の期間内については、特に必要と認められる場合のみ、その都度、必要最小限の期間で許可する。

③ 被害者等による捕獲については、上記許可期間(連続期間内、その他)内の必要最小限の期間で許可する。

④ 必要最小限の期間とは、被害の実態、捕獲の内容(頭羽数等、区域)に応じて原則3箇月以内とする。

⑤ 鳥類の卵については、現に被害を発生させている個体を捕獲等することが困難である場合、又は巣を除去する必要がある場合で、卵の採取等を行わなければ、被害防止の目的を達成できない場合に許可する。

⑥ 表に記載されていない種については被害状況等を勘案し許可する。

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安芸高田市有害鳥獣捕獲実施要綱

令和2年3月25日 告示第13号

(令和3年9月1日施行)