○安芸高田市ネーミングライツ事業実施要綱

令和7年5月21日

告示第47号

(趣旨)

第1条 この要綱は、市が所有する施設又はイベント等(以下「施設等」という。)に対する命名権を付与することにより、愛称が命名された当該施設等の更なる魅力及びサービスの向上に資するとともに、新たな自主財源の確保を図るためのネーミングライツ事業の実施に関し、必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 命名権 施設等の愛称を付与する権利をいう。

(2) ネーミングライツパートナー 第13条の規定による契約により、命名権を付与された者をいう。

(3) ネーミングライツ事業 命名権の対価として、ネーミングライツパートナーから対価(以下「命名権料」という。)を得る事業をいう。

(4) 愛称 ネーミングライツパートナーが施設等に命名する名称をいう。

(基本原則)

第3条 ネーミングライツ事業は、施設等の本来の目的に支障を生じさせない方法により実施するとともに、対象となる施設等の公共性を考慮し、社会的な信頼性及び事業推進における公平性を損なわないようにしなければならない。

2 市は、ネーミングライツ事業を導入した施設等について、愛称を積極的に使用するものとする。

3 市は、市の条例、規則等に定める名称(以下「条例上の名称」という。)については変更しないものとし、必要に応じて、愛称と条例上の名称を併記すること又は条例上の名称のみを使用することがある。

(応募資格)

第4条 ネーミングライツ事業への応募資格は、ネーミングライツパートナーとしてふさわしい資力及び信用を備えた法人であって、次の各号のいずれにも該当しないものとする。

(1) 法律、法律に基づく命令、条例、規則等に違反している者

(2) 市から指名停止措置等を受けている者又は地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4第1項及び第2項各号の規定に該当する者

(3) 市税等を滞納している者

(4) 安芸高田市暴力団排除条例(平成23年条例第25号)第2条第1号に該当する者又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有している者

(5) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)に規定する風俗営業に該当する事業等を営む者

(6) 消費者金融に係る者

(7) 法律に定めのない医療類似行為を行う者

(8) 会社更生法(平成14年法律第154号)に基づき、更生手続開始の申立てがなされている者又は民事再生法(平成11年法律第225号)に基づき、再生手続開始の申立てがなされている者

(9) 破産法(平成16年法律第75号)に基づき、破産手続開始の申立てがなされている者

(10) 市の公共機関としての社会的な信頼性及び公平性を損なうおそれのある者

(11) 宗教活動又は政治活動を主たる目的としている者

(12) その他市長が適当でないと認める者

(愛称)

第5条 ネーミングライツ事業により表記する愛称は、市民に不利益を与えない中立性のあるものとし、親しみやすさ、呼びやすさ等の点から市民の理解が得られるものとする。

2 次のいずれかに該当するものは、愛称として使用することができない。

(1) 法律、法律に基づく命令、条例及び規則に違反するもの

(2) 公序良俗に反するもの又はそのおそれのあるもの

(3) 政治活動、宗教活動、意見広告及び個人の名刺広告に関するもの

(4) 社会問題等の主義、主張等に係るもの

(5) 公衆に不快の念又は危害を与えるおそれのあるもの

(6) 第三者の商標権、著作権等の知的財産権を侵害するおそれのあるもの

(7) 市政運営に支障を及ぼし、市の信用又は品位を害するおそれのあるもの

(8) 人権侵害となるもの又はそのおそれのあるもの

(9) 詐欺的な取引その他正当な取引とは認められない取引に関するもの

(10) 集団的又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがある組織の利益になると認められるもの

(11) 当該愛称の内容について市民の誤解を招くもの又はそのおそれのあるもの

(12) その他愛称として使用することが適当でないと市長が認めるもの

3 施設利用者又はイベント等の参加者の混乱を避けるため、ネーミングライツ事業の契約期間内において、原則として、愛称は変更しないものとする。

(対象施設等)

第6条 ネーミングライツ事業の対象とする施設等は、次の条件を満たす施設等の中から、設置目的、規模、利用状況、イベント等の内容等を考慮し選定する。ただし、庁舎、学校等施設の性格上愛称を付することが適当でないと判断される施設等は対象としない場合がある。

(1) ネーミングライツ事業により、設置目的又はイベント等の目的が妨げられないものであること。

(2) その他愛称を付与することが適当と認められること。

2 選定しようとする施設等が指定管理者制度導入施設(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者が管理を行っている施設又は管理を行うこととしている施設をいう。以下同じ。)の場合は、市長と指定管理者が協議の上、市長が選定するものとする。

(命名権の付与期間)

第7条 命名権を付与する期間は、原則として、施設の場合は3年以上とし、イベント等の場合は当該イベント等の実施期間とする。ただし、市長は、施設等の性格、指定管理期間、その他の特性を考慮し、命名権を付与する期間を別に設定することができる。

(命名権料の設定)

第8条 命名権料は、施設等ごとに、その広告価値、規模、期間、市民への影響、他自治体の類似事例等を総合的に勘案した上で決定した希望価格以上とする。

(公募)

第9条 ネーミングライツ事業の実施に当たっては、原則として、公募するものとする。ただし、市長が公募によることが適当でないと判断する施設等については、公募によらないことができる。

2 前項の公募に際しては、施設等ごとに、命名権料その他必要な事項について、募集要項を定め、市ホームページ等により広く募集するものとする。

(応募の申請)

第10条 ネーミングライツ事業に応募しようとする者(以下「応募者」という。)は、施設等の愛称を記載した応募申請書に次に掲げる書類を添えて、市長に申請するものとする。

(1) 応募資格に係る誓約書

(2) 地域貢献等の実績及び今後の計画(任意提出)

(3) 応募者の概要を記載した書類

(4) 登記事項証明書

(5) 直近1事業年度分の決算報告書(貸借対照表、損益計算書等)及び事業報告書

(6) 直近の市税等の納税証明書

(7) その他市長が必要と認めるもの

(審査委員会)

第11条 次に掲げる事項について審査するため、安芸高田市ネーミングライツ審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。

(1) 契約の相手方、施設等の愛称及び命名権料の適否に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、ネーミングライツ事業の実施のために必要と認められる事項

2 委員会は、次に掲げる者をもって構成する。

(1) 副市長

(2) 総務部長

(3) 政策統括監

(4) 企画部長

(5) 当該施設等を所管する部長

(6) 前各号に掲げる者のほか、委員会が必要と認める者

3 委員長は副市長とする。

4 委員長は、委員会の事務を総理し、委員会の会議(以下「会議」という。)の議長となる。

5 会議は、当該施設等を所管する部署からの要請により委員長が招集する。

6 会議は、3人以上の委員が出席しなければ会議を開くことができない。

7 委員会の庶務は、当該施設等を所管する部署において処理する。

8 委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の関係者に会議の出席を求め、その説明又は意見を聴くことができる。

9 第5項の規定にかかわらず、緊急を要する場合その他特別の事情があるときは、持ち回りによって審査することができる。

(優先候補者等の決定)

第12条 市長は、委員会の審査結果を尊重し、応募者から優先候補者及び第2次以降の候補者を決定するものとする。

2 市長は、前項の規定により決定した優先候補者と契約内容についての協議を行うものとする。

3 市長は、前項の規定により協議した結果、優先候補者を契約の相手方として不適当と決定したときは、次点候補者と協議を行うことができる。

4 次点以降の候補者との協議及び契約の相手方の決定に係る手続については、前2項の規定を準用する。

5 協議の過程において、候補者と合意の可能性がないと判断した場合は、当該協議を打ち切り、当該施設等のネーミングライツ事業を中止とする。

(契約の締結)

第13条 市長は、前条第2項の規定により協議した結果、契約の相手方として適当と決定した者との間で、ネーミングライツ事業に関する契約を締結するものとする。

(命名権料の納入等)

第14条 ネーミングライツパートナーは、市が指定する期日までに当該年度分の命名権料を一括納入するものとする。

(契約の解除)

第15条 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、契約を解除できる。

(1) 指定した期日までに命名権料の納入がないとき。

(2) ネーミングライツパートナーが、応募資格を満たさなくなったとき。

(3) ネーミングライツパートナーが、法律、条例等に違反し、又は違反するおそれがあると市長が認めるとき。

(4) ネーミングライツパートナーの社会的又は経済的信用が著しく失墜する事由が発生したとき。

2 前項の規定により契約を解除する場合は、前条の規定により既に納入された命名権料については返還しないものとする。

(費用負担区分)

第16条 市長は、ネーミングライツ事業の実施に当たり、市ホームページ、広報紙等の作成に係る経費を負担し、その他の経費については、ネーミングライツパートナーが負担するものとする。

2 指定管理者制度導入施設にあっては、指定管理者のホームページ、パンフレット、封筒等の印刷物の更新はネーミングライツパートナーの費用負担により行う。

3 前2項の規定にかかわらず、市長とネーミングライツパートナーの協議により、費用負担区分を変更することができる。

4 契約期間満了又は契約解除に伴う原状回復に必要な費用は、ネーミングライツパートナーの負担とする。

(指定管理者との協議)

第17条 指定管理者制度導入施設にあっては、市長、指定管理者及びネーミングライツパートナーとの間で、愛称の使用に関し必要な事項について、協議するものとする。

(契約期間の満了時の特例)

第18条 ネーミングライツパートナーが契約の更新を希望するときは、原則として当初の条件を変更しないことを前提として、契約の更新ができるものとする。

(リスク負担)

第19条 ネーミングライツパートナーの施工に起因する看板、広告物の落下等により第三者に損害を生じさせた場合や、愛称が第三者の商標権等を侵害した場合の賠償責任は、ネーミングライツパートナーが負うものとする。

2 イベント等その他におけるリスク負担については、その内容に応じて市とネーミングライツパートナーが協議して決定する。

(その他)

第20条 この要綱に定めるもののほか、ネーミングライツ事業の実施に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この告示は、令和7年5月22日から施行する。

安芸高田市ネーミングライツ事業実施要綱

令和7年5月21日 告示第47号

(令和7年5月22日施行)