○安芸高田市議会基本条例

平成30年3月15日

条例第21号

目次

第1章 目的(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条―第5条)

第3章 市民と議会の関係(第6条)

第4章 議会と市長等の関係(第7条・第8条)

第5章 議員間討議及び政策提案(第9条―第11条)

第6章 委員会(第12条)

第7章 審査等(第13条)

第8章 情報公開(第14条―第16条)

第9章 議会及び議会事務局の体制整備(第17条・第18条)

第10章 政務活動費(第19条)

第11章 見直し手続(第20条)

附則

安芸高田市は、豊かな自然、歴史、伝統文化等に恵まれており、それら貴重な財産を後世に引継ぐため、三矢の訓を尊び、協働のまちづくりを進めてきた。

今日、地方分権時代を迎え、地方自治体に対し自己決定及び自己責任が強く求められる中、安芸高田市議会(以下「議会」という。)が市政を担う役割は、一層大きくなっている。

二元代表制の一翼を担う議会は、市民から選ばれた議員による合議制の機関であり、議決事項の責任ある姿勢はもとより、多様な市民の意見を反映するものでなければならない。

その役割を果たすためには、行政の監視機能及び政策立案その他議会の機能を高めるほか、自己研さん等により議員自らが資質の向上を図る必要がある。また、市民の意見を幅広く聴く場を設けるなど、市政の課題に対する市民の意見を的確に把握するとともに、市民への情報提供及び共有化を図り、市民の市政への積極的な参加を求めていくことも必要である。

議会及び議員は、その責務を自覚し、市民の負託に応える議会を目指すことを固く決意し、活動の最も根幹となる支柱として、この条例を制定する。

第1章 目的

(目的)

第1条 この条例は、議会及び議員の基本理念並びに議員が担うべき役割を果たすために必要な基本的事項を定めることにより、市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき、活動する。

(1) 市民主権を基礎とする市民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじた市民に開かれた議会並びに市民参加を推進する議会を目指して活動すること。

(2) 議事機関であることを自覚し、市長及び執行機関(以下「市長等」という。)の政策決定又は事務に対して監視及び評価機能を果たすこと。

(3) 市政の課題に関する論点及び争点を明らかにすること。

(4) 市民に分かりやすい言葉及び表現を用いた議会運営を行うこと。

(5) 審査で出された意見等が市政に反映するよう市長等に求めること。

(6) 議会運営について、不断に見直しを行うこと。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき、活動する。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進を重んじること。

(2) 市政の課題全般について、課題別及び地域別等の市民の意見を的確に把握し、市民の負託に応えること。

(3) 個別的な事案の解決のみでなく、市民全体の福祉の向上を目指すこと。

(議員の政治倫理)

第4条 議員は、市民全体の代表者としての倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによる市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができる。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加及び市民との連携)

第6条 議会は、本会議、常任委員会、特別委員会等の運営に当たり、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させなければならない。

2 議会は、請願又は陳情の審査に当たっては、必要に応じ、これら提出者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない。

3 議会は、市民、市民団体、NPO等との意見交換の場を多様に設けて、議会及び議員の政策能力を強化するとともに、政策提案の拡大を図らなければならない。

4 議会は、重要な議案に対する各議員の態度を議会広報で公表する等、議員の活動に対して市民の評価が的確になされるよう情報の提供に努めなければならない。

5 議会は、前各項の規定に関する実効性を高める方策として、市民に対する議会報告会等を少なくとも年1回開催し、議会の説明責任を果たすとともに、市民の意見を聴取し議会運営の改善を図らなければならない。

第4章 議会と市長等の関係

(市長等と議会及び議員の関係)

第7条 議会の本会議における一般質問は、広く市政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。

(市長の政策等の形成過程の説明)

第8条 議会は、市長等が提案する計画、政策、事業、予算、決算等(以下「政策等」という。)について、必要に応じ、市長等に対し、政策等の形成過程の説明及び資料を求めることができる。

2 議会は、前項の政策等の形成過程の説明を受け、政策等の必要性、妥当性、費用対効果その他必要な事項について審議し、議決又は意見に反映させるよう努めなければならない。

第5章 議員間討議及び政策提案

(議員間の自由討議)

第9条 議会は、議員間の自由討議を中心に運営しなければならない。

(自由討議による合意形成)

第10条 議会は、本会議及び委員会において、議案等を審議し、又は審査する場合には、議員間の議論を尽くして合意形成に努めなければならない。

(政策の提案)

第11条 議員は、政策、条例及び意見等の議案の提出を行うよう努めなければならない。

第6章 委員会

(委員会の活動)

第12条 委員会は、審査において資料等を公開するとともに、市民に対し、分かりやすい議論を行うよう努めなければならない。

2 委員会は、委員自らの提案及び市民の意見等をもとに所管事務調査を行い、政策提案につなげるよう努めなければならない。

第7章 審査等

(審査及び議決の心構え)

第13条 議員は、審査及び議決において、入念な準備及び真摯な姿勢をもってこれに臨むよう心掛けなければならない。

2 議員は、審査及び議決における意見等に対し、責任を負うものと自覚しなければならない。

第8章 情報公開

(市民に対する情報公開)

第14条 議会は、議会の活動に関する情報を公開し、市民に対する説明責任を果たさなければならない。

(会議等の公開)

第15条 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会及び全員協議会を原則公開しなければならない。

(議会広報の充実)

第16条 議会は、議会広報誌の発行、インターネット配信等の多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会の広報活動を充実しなければならない。

第9章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実)

第17条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上等を図るため、議員研修を実施しなければならない。

(議会事務局の体制整備)

第18条 議会は、政策形成及び立案機能を高めるため、議会事務局の法務及び財務等の市政に関する調査機能の充実を図るものとする。

第10章 政務活動費

(政務活動費の公開)

第19条 安芸高田市議会政務活動費の交付に関する条例(平成17年安芸高田市条例第22号)に基づく政務活動費の交付を受けた議員は、政務活動費による活動状況を市民に公開しなければならない。

第11章 見直し手続

(見直し手続)

第20条 議会は、この条例の遵守及び推進のため、議会運営委員会等で適宜検証を行う。

2 議会は、社会情勢の変化等により、この条例を見直す必要が生じた場合には、速やかに検討し、改正の措置を講じる。

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

安芸高田市議会基本条例

平成30年3月15日 条例第21号

(平成30年4月1日施行)