○安芸高田市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例の運用要領
平成19年1月9日
訓令第2号
第1 趣旨
この要領は、安芸高田市長期継続契約を締結することができる契約を定める条例(以下「条例」という。)に係る運用の基準等に関し、必要な事項を定める。
第2 条例第2条第1項第1号及び第3号関係(物品の借入れに係るものに限る。)
1 対象契約は、物品のリース契約とする。リース契約とは、法人税法施行令に基づき事業者が新たに物品を購入し、長期にわたって貸し付け、投資額を回収するものをいうものとする。
(参考)対象契約にならないもの ・リース契約の定義に当てはまらないもの (例)中古プレハブの仮設建物、応接用観葉植物など |
2 契約期間は条例に定める期間内で、対象物品の耐用年数等に基づき商習慣上定められるリース期間とする。
3 契約事務を行なうにあたっては次の事項に留意する。
(1) 執行伺
ア 契約期間
契約期間には長期継続契約であることを明記する。
イ 執行予定額
執行予定額には当年度執行予定額のほか、契約期間全体も併記する。
ウ 契約方法の決定
契約期間全体の金額で判断する。
エ 執行の決定における決裁権者
契約期間全体の金額で判断する。
オ 予定価格
原則として月額で設定する。
カ 入札・契約締結の時期
長期継続契約は、翌年度以降の予算として議会で議決される前の契約が可能であり、当初予算成立前でも入札の執行・契約の締結ができるが、物品の借入れについては、その必要性が低いことから執行年度の4月1日以降に行なうものとする。
※ 執行伺の記載例 1 件名公用車の賃貸借契約 2 契約期間 平成18年10月1日から平成24年9月30日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) 3 執行予定額 平成18年度執行額 300,000円 契約期間全体の執行予定額 3,600,000円 |
(2) 入札公告又は指名通知
入札公告等には長期継続契約であることを明記するとともに、予算の減額又は削除による契約解除の可能性について相手方に示す。
(例)契約期間 平成18年10月1日から平成24年9月30日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) 本契約は、地方自治法第234条の3の規定により翌年度以後において歳入歳出予算の当該金額について減額又は削除があった場合は、本契約を解除することができるものとする。 |
(3) 入札(見積)金額及び契約金額
原則として月額とする。
(4) 契約書
ア 契約書作成の要否
安芸高田市財務規則第73条には、一定の要件に該当するものは「契約書の作成を省略することができる。」とあるが、長期継続契約の特殊性から契約書は必ず作成するものとする。
イ 契約期間
契約期間には賃借する全期間を記載するとともに、長期継続契約であることを明記する。
ウ 契約金額
契約金額は月額で表記する。
エ 契約条項の特記事項
予算の増減等による契約の変更等がありえる旨を記載する。(債務不履行による契約解除の場合は、損害賠償を請求されるが、約定解除の場合には、それが認められない点で実益がある。ただし、商習慣上高額な物件に係るリースについては、契約解除による賠償額の約定を求められることもあるが、議会の議決案件となる賠償額を予め定める契約はできないと解されているので、このような場合には債務負担行為とするものとする。)
(例) (契約期間) 第○条 本契約の賃貸借期間は、平成18年10月1日から平成24年9月30日までとする。(地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) (特約事項) 第○条 本契約は、地方自治法第234条の3の規定により翌年度以後において歳入歳出予算の当該金額について減額又は削除があった場合は、本契約を変更又は解除することができるものとする。 |
第3 条例第2条第1項第2号及び第3号関係(役務の提供に係るものに限る。)
1 対象契約は、次の3つの条件を全て満たす契約とする。
(1) 経常的かつ継続的なもの
毎年度繰り返し、切れ目なく履行が行なわれるもの
(2) 毎年度当初から役務の提供を受ける必要があるもの
毎年4月1日に現に役務の提供を必要とするもの
(3) 契約の相手方の準備期間を確保する必要があるもの
契約の適切な履行のために資材・機材の調達や労働力確保、教育訓練期間などを要するもの
なお、地方自治法第234条の2に係る長期継続契約は、私法上の契約に限ると解されているので公法上の長期継続契約は、債務負担行為を要する。
※ 想定される契約の例 建物清掃、警備、廃棄物収集(本市がごみ排出者に限る。)、電気・機械設備の保守管理、システム運用・保守) (参考) 対象契約にならないもの ・年間を通じて経常的、継続的でない、臨時的、政策的なもの (例) 催事等の企画運営、システム開発、調査委託など ・必ずしも年度当初から提供を受ける必要がないもの (例) ねずみ・害虫駆除、庁舎消毒、消防設備点検、執務室の定期的な空気環境測定、浄化槽清掃など ・契約の相手方の準備行為を要しないもの (例) 法律相談業務委託など ・地方自治法第234条の3に係る契約に該当しないもの (例) 指定管理者の指定及びこれに基づく協定など ・公法上の契約となるもの (例) 一般廃棄物の収集・運搬または処分、下水道処理施設の管理等(公法上の契約とは、公法上の効果の発生を目的とした契約であり、法律上、特に明示的に認められた場合に限って行なう契約をいう。) |
2 契約期間は、物品の借入れに係るものについては借り入れる物品の耐用年数に1.2を乗じて得た年数(1年未満の端数切上げ)以内とする。
その他の役務の提供については、3年間に契約に伴う履行確保の準備期間を加えた期間以内とする。
なお、設定にあたっては、技術革新の状況、事業継続の目途及び経済変動などを勘案して、長期の契約による割引、相手方の技術の蓄積による業務の効率化によって経費を抑えることを念頭に適切に行なうものとする。
3 契約事務を行なうにあたっては次の事項に留意する。
(1) 執行伺
ア 契約期間
契約期間には、長期継続契約であることを明記するとともに履行期間を併記する。
イ 執行予定額
執行予定額には履行の始期の属する年度に係る執行予定額のほか、履行期間全体の金額も併記する。
ウ 契約方法の決定
契約期間全体の金額で判断する。
エ 執行の決定における決裁権者
契約期間全体の金額で判断する。
オ 予定価格
原則として年額で設定する。
カ 入札・契約締結の時期
長期継続契約は、翌年度以降の予算として議会で議決される前の契約が可能であり、当初予算成立前でも入札の執行・契約の締結ができるが、この場合にあってもその時期は、履行の始期の属する年度における予算措置の裏付けの観点から、市長が新年度予算として議会へ上程する意思決定を行なった後でなければならない。なお、準備期間中は役務の提供を受けないため、この間の費用支払いは生じない。
※ 執行伺の記載例 1 件名 庁舎の警備業務委託 2 契約期間平成19年3月1日から平成22年3月31日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) 3 履行期間 平成19年4月1日から平成22年3月31日まで 4 執行予定額 平成19年度執行額 1,000,000円 契約期間全体の執行予定額 3,000,000円 |
(2) 入札公告又は指名通知
入札公告等には長期継続契約であることを明記するとともに、履行期間も合わせて併記する。
予算の減額又は削除による契約解除の可能性について相手方に示す。また、初年度当初予算成立前に契約する場合は、当該予算の成立を契約の効力が生じる条件とする。
(例)契約期間 平成19年3月20日から平成22年3月31日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) 履行期間 平成19年4月1日から平成22年3月31日まで 本契約は、履行期間の始期の属する年度に係る予算の議決を条件として契約が成立するものとする。 また、地方自治法第234条の3の規定により翌年度以後において歳入歳出予算の当該金額について減額又は削除があった場合は、本契約を解除することができるものとする。 |
(3) 入札(見積)金額及び契約金額
原則として年額とする。
(4) 契約書
ア 契約書作成の要否
安芸高田市財務規則第73条には、一定の要件に該当するものは「契約書の作成を省略することができる。」とあるが、長期継続契約の特殊性から契約書は必ず作成するものとする。
イ 契約期間の表記方法
相手方の準備期間を含めた全期間を記載するとともに長期継続契約であることを表記する。
ウ 契約金額の記載方法
契約金額は年額で表記する。
エ 契約条項の特記事項
履行期間の始期の属する年度に係る予算の議決を条件として契約が成立すること及び予算の増減等による契約の変更等がありえる旨を記載する。
(例) 契約日が履行期間の初年度予算成立前であるとき。 (契約期間) 第○条 平成19年3月1日から平成22年3月31日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) (履行期間) 第○条 平成19年4月1日から平成22年3月31日まで (特約事項) 第○○条 本契約は、履行期間の始期の属する年度に係る予算の議決を条件として契約が成立するものとする。 2 第○条の規定にかかわらず、地方自治法第234条の3の規定により翌年度以後において歳入歳出予算の当該金額について減額又は削除があった場合は、本契約を解除することができるものとする。 (例)契約日が履行期間の初年度予算成立後であるとき。 (契約期間) 第○条 平成19年5月1日から平成22年4月30日まで (地方自治法第234条の3に基づく長期継続契約) (履行期間) 第○条 平成19年5月1日から平成22年4月30日まで (特約事項) 第○○条 第○条の規定にかかわらず、地方自治法第234条の3の規定により翌年度以後において歳入歳出予算の当該金額について減額又は削除があった場合は、本契約を解除することができるものとする。 |
附則
この訓令は、平成19年1月9日以後に行われる入札公告、指名通知その他契約の誘引を行うものについて適用する。
附則(平成30年2月1日訓令第4号)
この訓令は、平成30年2月1日から施行する。